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後編

インドでの経験は、八巻さんのもの作りに影響を与えているのでしょうか。

bg_bimajinStory-flower-iconすごく影響されていますね。制作のインスピレーションという面でもそうですし、最初に出てきた、ジュエリーデザインを始めるきっかけになった賞もインドで取ったんです。それまでは自分のためにジュエリーを作っていたんですよ。でも、あるとき、王族御用達の人が私のデザインをほめてくれて、インドのジュエリー展示会に私のブースを作ってくれたんです、そこに出した作品でデザインの賞を取って。GIAという宝石協会の賞だったので、それがきっかけでジュエリーデザインを仕事として始めたんです。
 特にジュエリーの世界では、インドの勢いは目覚ましい成長です。まずインドの市場自体が急速に大きくなっていますし、インドは宝石の産地でもあるので。

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服作りに関しても、インドでのテキスタイル供給などがあるのですか。

bg_bimajinStory-flower-iconジャイプールではブロックプリントやジャガードの製作や生産をお願いしています。タイ、ベトナム、中国。欧州ではフランス、イギリス、トルコのイスタンブール。世界中で素材開発や生産を行っています。

海外でのお仕事は想像を超える苦労も多いだろうとお察しします。

bg_bimajinStory-flower-iconインドでは、納品1週間前に火事ですべてが焼けてしまうという事故もありました。1ヶ月かかったことが1週間でできるわけがない。そう思いましたが、先方は「やります」と言ってくれ、本当に仕上げてくれたときは涙が出ました。刺繍の作業は円陣を組んでの手作業なのですが、うちのスタッフも加わってやっていたことで、親近感が芽生えていたのでしょうね。そんなこともありながら、信頼関係を築いています。

日本人の女性が、デザインの分野で国境を越えて、活躍し始めるということはこれまでほとんどなかったじゃないですか。しかもこの年齢から。本当にすごいことだと思います。

bg_bimajinStory-flower-icon実は今デビューして良かったと思ってるんですよ、若い頃じゃなくて。若い頃ってみんな、余裕がないから他人に頼れないじゃないですか。でも、今の年になって何かやろうと思ったら、友達に相談できるし、向こうも向こうで何かあった時には私に相談してくることもあります。お互いにキャパがあるからそうやって、悩みを共有できるんですよね。考えてみれば、何気ない女性同士の会話とかも今まではしてこなかったんですよ。若い頃はずっと仕事、仕事だった気がします。

時代の追い風もあったかもしれませんね。

bg_bimajinStory-flower-iconそうですね。一応スキルは身に付いてるから、ものを作ることとか、それを発表することに対してはネガティブにならない。それは良い事だと思いますね。

下の世代の人の気持ちもわかりますよね。自分も30代の時は同じような経験をしたなって思えたり。

bg_bimajinStory-flower-iconそうですね。今、不思議な感覚なんですよ。昔は、デザイン関係のジャーナリストの眼を意識して作品を発表したりしてたんですけど、今は友達にみてもらうような感覚で作品を作っている。だから、お客様にも半分友達感覚で接しているような感じなんです。でも、みんなちゃんと見る目は持ってるから、生産的な批評もしてくれます。

八巻さんや私の世代の女性は仕事を頑張ってきた人が多いから、この年になって新しいことを始めることの苦労がよくわかってると思うんですよね。そこから尊敬の念も生まれてくるような気がします。
さて、伊勢丹のお店はもうオープン(2月26日)していますよね。お客様の反応はどんな感じですか。

bg_bimajinStory-flower-iconありがたいことに上々です。まず初日にコンシェルジュの女性の方がすごく気に入ってくれました。「他のお店にはあまり無いラインだ」って言ってくださって。そういう反応もうれしいですね。伊勢丹のコンシェルジュって食品とか、リビング担当の人は大勢いるんですけど、服に特化した人は少ないらしいんですよ。でも、ここの服はコンシェルジュとしてお客様に勧められる服だって、言ってくださいましたね。用途服として選ぶことができる服だと。

用途服。本当の意味でのリアルクローズですね。

bg_bimajinStory-flower-iconある目的があって、それに合わせて服を買いたい女性って増えているらしいんです。そういう場合に買いたい服って、カジュアルすぎるものだとダメで、かといって有名ブランドの服を買うと意外に人とバッティングしてしまうこともあるそうです。中々難しいんですよ。だから、みんなブランドを重視するというより、自分の用途にピッタリあった服を買いたいみたいなんです。
 私自身も、消費者としてはどっちかというとこれまでそういう買い方をしてきました。誰も見たことがないような斬新なものを作りたいとは全く思わない。自己演出の延長線上にあるような服、ライフスタイルをより豊かにするような服を作りたいですね。

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デザインもそういうことに気をつけてされたんですね。

bg_bimajinStory-flower-icon女性ならではの素材やデザン… 例えば、ジョーゼットやオ―ガンジーなどの薄物やレース、ワンピースなどのアイテムについては、特にリアリティがあった様に思います。

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これから、どんな生き方をしていきたいと思いますか。

bg_bimajinStory-flower-icon今回お店を出して強く思ったのは「つながり」の大事さなんです。それこそポリフォニーじゃないけれども、世代を超えて色んな分野の方とつながって、新しい世界観みたいなものをみんなで作れたらいいなと思いますね。私はファッションの分野からそうしたつながり作りに貢献したいと思っています。

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(撮影:上平庸文 / インタビュー:森 綾)


Writer: 森綾のアイコン森綾

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