

台湾に来て半年くらいの頃、ドラマを撮影している時に、休憩中はまだつたない中国語でみんなと会話していると、親切な台湾人はこれは知ってるか?これはなんていう?といろいろ教えてくれました。 中でも印象的なのが、一人の男性スタッフが嬉しそうに、 「麻梨子、◯◯って言ってみなさい。台湾語でお腹すいたって意味だから」 と教えてくれた言葉。中国語は会話できるくらいだったけど、台湾語は一言も知らなかった私は、初めて覚えた台湾語を、ご飯の時間になるたび得意げに使っていた。 聞いたスタッフさん達はケラケラ笑っている。 日本人が喋る台湾語が珍しくて面白いから笑ってるんだと思って調子良くそのまま使っていたら、 女の子の衣装さんが、
「麻梨子、その言葉、女の子は使っちゃダメな言葉だよ」
と教えてくれた。 台湾語のお腹すいたと音が似ているその言葉は、人を罵る時に使う髒話(ザンファア)汚い言葉だったそうです。
日本語でいうと、バカとかアホとかコノヤローとかでしょうかね。 台湾人の男子によく日本語の髒話を教えてくれって言われるのですが、 日本語のバカやアホは台湾人にとって殺傷力がなく、物足りないらしい。 殺傷力が足りないって言われると、じゃあこれはすっごい悪い言葉だから、むやみに使っちゃいけないよ!恐ろしい言葉だから。絶対日本人に向かって言っちゃダメだよ!と念をおして 「おまえのかーちゃんでーべそ」を教えてみました。
すると、すごく嬉しそうに大きな声で練習し始める。 そんな様子を、微笑ましく見ながら、台湾男子は実際年齢とか関係なく、みんな小学5年生の心を持っていると私は思うのです。かわいー。
ちなみに台湾語でお腹すいたはパトヤオ。 あの彼のおかげで、二つ忘れない台湾語を覚えたよー。ははは。
さて、そして今回ご紹介するカレー屋さんは、 台湾語のお腹空いたに似てる言葉よりもっともっと殺傷力のある言葉、女子は絶対言っちゃダメ な台湾語No.1だという言葉に音が超似てる店名。 その名も「咖哩娘」(ガーリーニャン) 日本人からすると、モー二◯グ娘。ならぬカレー娘。かと親近感こそ抱きそうなものだけど、台湾人にとっては、イントネーションがちょっとだけ違うだけだから、カタカナで書いてみると、 もう完全にアウトです。漢字表記もだいたい同じだからダブルアウトです。わ~台湾の人ごめんなさい。私、もうお嫁にいけない?って、それくらい言っちゃいけない言葉だと教えられましたが、 私が言っているのはあくまでもお店の名前ですので、悪気はありません。あしからず。
そんなブラックユーモアたっぷりのお店、どんなお店かと思ったら、 黒の内装でスマート、おしゃれな店内。
メニューも壁に書いてある、牛肉、豚肉、鳥肉、スープカレー、限定カレーの5種類とパン、餃子、卵、飲み物とシンプル。
机に置いてある札をウェイターさんに渡します。 私は豚、友達は雞(鶏)を注文、あとトッピングに卵。
カボチャとレンコンのピクルスも薄く
スライスされてて繊細な感じ。
テーブルにある飲み物も、一見お水かと思ったら蜂蜜水だった!容器もおしゃれだし凝ってます。
お待ちかねのカレー。こちらの盛り付けも変わっています。
ご飯が棒型の長方形って! カレーは無添加の果物や野菜の味が感じられる甘め。 鶏もジューシーさが一目でわかる、すんごい詰まってる感じ。 ローズマリーの香りが爽やかで、豚カツは中にチーズが!卵も半熟トロトロでいい火加減。 仕事が細かいね。
洒落てるじゃないか、美味しいじゃないか、咖哩娘!
隣のテーブルの大学生くらいの男子たちがメニューをみてニヤニヤニヤニヤ、嬉しそうにメニュー についたお店の名前を呼んでいる。そこにも小学5年生の面影をみた。わはは。 このお店の中では、思いっきり言える女の子が言っちゃダメだという言葉。言ってみたくなったでしょ?
中身も納得のお料理だから、ぜひ行って言ってみてね!
(外ではむやみに言っちゃだめだと一応付け加え)
大久保 麻梨子
長崎県生まれ。
2003年にデビューし芸能活動を続ける中、
2010年初めて一人3泊4日の旅行で訪れた台湾に一目惚れし、帰りの飛行機で台湾留学を決意。その半年後から台湾生活を始め中国語を習得し、仕事の拠点も台湾に移し現在、中華圏の広告、雑誌、ドラマなどで活躍中。夢は日本、台湾をつなぐ架け橋の様な人になること。
公式ブログ
http://ameblo.jp/marilog0907/
Facebookも日々更新中。