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いよいよ年の瀬、あと数日で新しい年を迎えます。
慌ただしい毎日、12月はいつもの倍以上の速さで時間が流れていくようです。
暮の御挨拶まわり、年賀状、大掃除、お正月のお飾りの買い出しなどなど・・・今年も例年通り優雅なんて言葉とは縁遠く、わさわさと一年を締めくくりそうです。

そんな最中「そろそろお正月に着るお着物と帯を用意しないとあかんなぁ」と毎年のことながらギリギリになって気が付き、おもむろに桐ダンスから普段は着ない「やわらかもの」の着物とそれに合う晴れやかな帯を何本かひっぱり出します。今回は大好きな梅柄の帯ばかり三本をご覧いただきましょう。

①袋帯「花影文」

まず、来年は琳派400年記念ということですので、琳派に因んだ梅の文様の帯を合せてみました。 たっぷりした錦の黒地に金箔と銀箔で織られたふくふくした梅の柄。「花影文」と銘をつけられたこの袋帯は祖父の頃の図案です。琳派の梅の花をより簡潔に図案化していますがとても印象的な帯です。 光沢の美しい萌黄色の色無地にとても良く映えます。

②袋帯「梅文」

こちらの袋帯も琳派を代表する尾形乾山の器に描かれた梅の文様を写しています。重なり合う枝に競い合うように咲く梅がなんとも愛らしい帯です。白地に紅梅の濃淡で表現された梅の蕾や花たちがいかにもめでたくお正月らしい装いになります。

③名古屋帯「のぞき梅」

三本目はちょっと変わった梅の図案です。「のぞき梅」と言って家紋などにも使われるのですが、雪輪の中に梅の花がこっそり覗いている、とても可愛らしい文様なのです。早春の頃、まだ雪が舞うなか一輪一輪と咲きはじめる、いじらしい梅の花に春の悦びが増していくような文様です。こちらは名古屋帯なので氏神さんに初詣に行くとき結びたい帯です。

④名古屋帯「梅花文」

梅は「松竹梅」など云わずと知れた日本の吉祥文様の象徴のひとつですが、別名「春告草」といい、寒い季節を耐え、年のはじめにあらゆる花の先頭を切って愛くるしい花を咲かせ春を告げてくれる花でもあります。 梅の香は「馥郁(ふくいく)たる香り」と言われ万葉集や俳句などにも数多詠まれるほどドラマチックな香りですし、梅の姿は琳派など多くの日本の美術工芸品に様々な形で描かれ愛されてきました。もちろん着物や帯のデザインとしても。

花言葉は「高潔」「厳しい美しさ」「あでやかさ」なんですって。 来年こそは梅の花のような凛と香り立つ女性になれますように。

堀江麗子 プロフィール

「真実に美しいものは常に新しい」
洛風林創業者である祖父 堀江武の信条を大切にしながら、
素材や色づかいなど現代を生きる女性らしい、しなやかな感性で
新しいものづくりに勤しむ。
2011年 8月から3代目代表として工芸帯地 洛風林を継ぐ。
三姉妹の長女。京都生まれ。

Writer: 堀江麗子

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