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今の日本にはたくさんあるおしゃれなカフェやビストロ、フランス風のインテリア。料理家でライフスタイル・デザイナーのパトリス・ジュリアンさんはそれを先駆けて伝えた人です。 10数年前も前から、出来上がったものを買うだけでなく、たとえば料理から自分の身近な生活にフランス流を取り入れられるというアイデアを提唱してきました。前編では、なぜパトリスさんが日本人にフランス流のライフスタイルを伝えようと思ったのかを中心に話していただきます。
1987年に初めて来日されたときは、外務省の仕事をされていたのですね。日本に来てみて、どんな印象でしたか?
パトリス 実はそんなに日本のことをよくは知りませんでした。その前はタイにいましたが、もっとヨーロッパの文化と関係のある国に来たかったんです。日本とフランスとは歴史的にも関係が深く、国民がプライドをもっているという点で似ていると思いました。日本のアート、庭、民家に関する本はフランスでもけっこう出ていて、日本人はみんなジャパニーズ・スタイルの木造の家に住んでいると思っていましたから、来てみたらびっくりしましたね。特に外観はまったく同じで、ドアがあって番号が書いてあるアパートメントが多くて、お墓みたい!と。(笑)
でも自由ヶ丘で古い明治時代の家を見つけて「畳とフローリングと縁側」が一緒にある面白いバランスを感じたんです。 圴一な価値観だけでなく、この国に残っている伝統の素晴らしさがあると知り、 イメージが変わりました。
その後、1992年に『フランス料理ABC』(文化出版局)を出されてロング・セラーになるのですが、最初はなぜフランス料理を広めることをされたのですか。
パトリス 料理は一番入り口になりやすかったのです。素敵な料理をつくれば、素敵なお皿が欲しくなる。フォークやナイフも揃えたくなる。テーブルもいる。椅子もいる。その人のビジョンがどんどん細かくなって、どんどん部屋のなかが楽しくなるはずですね。だから『フランス料理ABC』は、器やテーブル・セッティングを伝えることもポイントになっていました。
4年前に一度、フランスに戻られ、また日本に来られました。そして、料理本から活動を始められています。今回の『パトリス・ジュリアンのおつまみ』(ワニブックス)は、あえてテーブル・セッティングには凝らず、料理そのものに寄った提案になっていますね。
パトリス もう一度基本から始めてもらいたかったからです。この4年間で、日本のレストランはいっそうおしゃれになりましたし、人もおしゃれになりました。でも家に戻るとさぼっている人が多い(笑)。女性でも、買ってきたものを適当に食べている人が多いでしょう。「おもてなし」の国のはずなのに、家で「おもてなし」ができない人が多い。勇気をもって、簡単で美味しいものを作って「おもてなし」をしてほしい。そうして家に人が来る環境を作るために、また生活が変わっていきます。
タパスにしたのは「料理」というよりももっとシンプルなことができないか、と思ったからです。いい鍋が必要、みじん切りのテクニックが必要となると、ひるんでしまうでしょう?そうではなくて、まな板とナイフ、オーブントースター程度の設備でできるもの。モッツァレラ・チーズを切ってトマトと合せて、バジルを載せる。そしてそれをスプーンに載せるだけで「おもてなし」になるんです。
なるほど、食べやすいし、見た目も可愛いですね。
パトリス タパスはミクロの世界です。そのひと口分に集中して、美しくする、可愛くする。そこから少しずつ少しずつ広げて、自分の生活を面白くしていったらいい。
そのミクロ→全体に広げる考え方は面白いですね。
パトリス たとえば、メイクも同じですね。パーツにこだわって、アイメイクにこだわる。睫毛にこだわる。ひとつのパーツに自信が持てると、じゃ今度は眉はどうしよう? 口元は? と、広がっていく。ファッションや、自分のイメージまでもがチェンジしていく。小さいところに気をつけると、自動的に大きなところへ広がっていくんです。私が料理の本を書くのも、そういう考え方に近いのかもしれません。料理の本からライフスタイルやエッセイへと広げていけるんですね。

☆パトリス・ジュリアンさんのインタビュー後編では、いよいよ「女性が幸せに生きるにはどういう気持ちでいたらいいか」を伺います。


Writer: 森綾

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