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ひんやり澄んだ秋空に色づいた木々が鮮やかに映えるこの季節、毎年きまってお隣り、奈良にお出掛けしたくなります。
紅葉美しい奈良の町を散策することと、奈良国立博物館で開かれる「正倉院展」を観に行くのが恒例の楽しみになっています。

「正倉院金工」文様の帯

聖武天皇を亡くし悲しみに暮れられていた光明皇后が四十九日法要のあと東大寺の盧舎那仏(大仏)にお納めになった聖武天皇愛用の遺品をはじめ、大仏開眼の儀式に使われた品々など奈良時代を代表する約9000点もの宝物の中から選りすぐり毎年数十点をこの「正倉院展」で拝見することが出来ます。 天皇や貴族の身の回りのもの、服飾品、飲食器、調度品、文房具、楽器、遊戯具など・・・どれも当時最高峰の美的感覚と技術によって作られた興味深いものばかりで、あまりの美しさにため息がこぼれてしまいます。
特に私が魅かれることは、この時代(8世紀)の主要文化圏、中国、インド、イラン、ギリシャ、ローマ、そしてエジプトに及ぶ国際色豊かな諸要素が正倉院宝物から窺い知ることができることです。「正倉院はシルクロードの終着点」と言われるようにこの時代の世界文化を代表する「最先端の美」が正倉院に納められているのです。
現代のようにテレビやインターネットからの情報も無く、容易に異国と行き来できない時代にこれほどの異文化や異国趣味を惜しみなく取り入れた美意識の高さと大らかな心をもった奈良時代の祖先に誇りさえ感じます。
意匠や文様にしてもとても洗練されていて、現代の着物や帯の意匠として取り入れてもちっとも古さを感じません。むしろモダンアートのように思えるものもあります。

正倉院文様から取材した帯たち

今年は天皇皇后両陛下傘寿を慶祝するような華やかな宝物が展示されるそうです。 正倉院展を観て、鹿が戯れる若草山を背に東大寺辺りをぶらぶら散策しているとまるで天平時代にタイムスリップしたような気分になります。 この機会にぜひ奈良までお出かけになってみてはいかがでしょう。

東大寺の鹿

天皇皇后両陛下傘寿記念 第66回正倉院展
会期:平成26年10月24日(金)~11月12日(水)(会期中無休)
   午前9時~午後6時(*金・土・日・祝 は午後7時まで)

会場:奈良国立博物館 東新館・西新館

詳しくは奈良国立博物館のホームページをご覧ください。
http://www.narahaku.go.jp

堀江麗子 プロフィール

「真実に美しいものは常に新しい」
洛風林創業者である祖父 堀江武の信条を大切にしながら、
素材や色づかいなど現代を生きる女性らしい、しなやかな感性で
新しいものづくりに勤しむ。
2011年 8月から3代目代表として工芸帯地 洛風林を継ぐ。
三姉妹の長女。京都生まれ。

Writer: 堀江麗子

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